からだ劣化の原因
親の世代より生活水準は下がりそうだし、デフレでこれからも物の値段は下がるのであれば、お金は使わずに現金で持っておいた方がいい。
若い人たちがそうした行動をとるのは当然という気もするが、下がっているのは生活水準だけではないようだ。
脳もそうだという話がある。原因はITで、かつては自分で考えなければならなかったことを、コンピューターが代行するようになった。使わなくなれば、脳も退化を始めるというわけだ。
例えば文書を書く場合、手書き、パソコン、携帯電話の順で脳内の血流量が減っていくという。
血流が多いほど脳は活発に動いており、携帯電話でメールを打っている時が、活性化の度合いが一番低いのだそうだ。
キーボードで入力した後に変換キーを押し、候補となる文字が示されるパソコンに比べ、携帯電話の場合は、入力を始めると予測変換で次々に候補が表示される。表示された候補の文字をつないでつくるのが、携帯電話での文書作成だ。
手書きはもちろんパソコンと比べても、脳を使わないというのは、そうしたことからのようだ。
さて、省エネ家電の普及を促すためのエコポイント制度が、住宅にも拡大される。省エネ効果だけでなく段差をなくしたり、手すりを設置するといったバリアフリーのための改修も対象となる。
しかし、使わなくなれば退化を始めるのは脳だけでなく手足も同じ。バリアフリーで体が楽になると、お年寄りの体力の衰えが加速するという。
バリアフリーの結果、要介護のお年寄りが増えるということにならなければいいのだが……。
毎日新聞 2010年1月22日 東京朝刊
by 05535
| 2010-01-22 18:05
| くっちゃ・なかじっきゃ・の話