発信箱 「磨き時」 元村 有希子 記者
いつも・何時もの、毎日新聞です。
横綱・朝青龍の引退は、暴行疑惑で世間を騒がせたことへのけじめだという。本件はすでに示談が成立しているとされるが、真相は闇である。
今回問われたのは事の真相だけでなく、国技の頂点に立つ人物としての適格性だった。「横綱が本場所の最中、街中で泥酔していること自体が問題です」と、東京相撲記者クラブ会友の杉山邦博さんは怒っていた。横綱をめぐる数々の騒動にほとんど無力だった日本相撲協会の指導力も問われている。
同じ日、政界では小沢一郎民主党幹事長が続投を表明した。元秘書ら3人は起訴されたが、本人の関与は分からぬままで、不起訴となった。
一貫して潔白を主張してきた小沢さんは「やれやれ」という思いだろう。民主党内には反転攻勢の機運が高まり、幹事長を批判した議員への逆風も吹き始めたと聞く。
だが、ここでも問われているのは、最高権力者としての適格性ではないか。
「男のみがきどき」。池波正太郎は、苦境に立たされた時こそ男の真価が問われると書いている(「男の作法」)。たとえば故・小林繁投手。意に染まぬトレードで阪神に移籍した時が「みがきどき」だった。会見で小林投手は「同情はされたくない」と言い、めざましい成績を上げた。苦境から逃げず自分を見つめる気持ちの有無が「男をみがくか、下へ落っこっちゃうか」を決める、という。
少なくとも私は、億単位の金にまつわるきな臭い話が次から次へと出てくる人物に、この国の将来をゆだねていいのかと感じる。自浄能力を発揮できない民主党という組織にも、同じ危惧(きぐ)を抱く。考えてほしい。今こそ磨き時ではないか。(科学環境部)
女の 感は、鋭い?
by 05535
| 2010-02-07 13:31
| くっちゃ・なかじっきゃ・の話